テクノロジーによる生活の変化と未来を、小泉耕二が解説

家にAmazon Echo的なモノを導入したら、案外大変なコトが待っていた

Smart Home
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IoTNEWSで、スマートホームというジャンルの記事を書いていると、2年位前は家電がインターネット(あるいはローカルなネットワーク)につながる話が多かったという記憶があります。

第1期:つながり始めた家電

2年くらい前といえば、当時は”hue(ヒュー)”というスマートフォンで、「あかりの色」をコントロールすることができる照明が話題になっていました。

philips hue

参考:philips

例えば、ムードよくしたい時は、赤っぽい色にするとかできます。

面白い商品なのですが、お店の照明であればともかく、自宅の照明の色をコロコロ変えて楽しむというのもどうかと思うし、使い道が難しいなと思ってました。

 

smart plug

参考:belkin

他にも、”スマートプラグ”と呼ばれる、コンセントに付ける通信機能付きコンセントがシリコンバレー界隈の家ではよく見られるようになりました。

これは割と便利で、うまくシステムに組み込めば、スマートフォンのアプリをタップするだけでスマートプラグ経由で電源が供給される家電の電源オン・オフができるようになるのです。

ただ、いずれにせよ、「家電がネットワークにつながって、スマートフォンで操作できる」というものが大半だったと思います。



第2期:本格的に「つながる」家電へ

そうこうしているうちに、「スマート家電」と呼ばれるネットワーク対応家電がいくつも登場するようになると、それぞれの機器をそれぞれのスマートフォンアプリでコントロールするのが面倒になるという非常にプロダクトアウトな考え方から、ハブになるような一つのアプリケーションで一括管理させようという流れが生まれます。

実は、この段階で消費者は置いてけぼりをくらっていて、テクノロジーありきの進化が始まります。

AmazonEcho

出典:Amazon.com

代表的なモノとしては、ご存知の方も多いと思いますが、Amazon Echoという声でコントロールできるスピーカーがあります。

Amazon Echoはスピーカーなのですが、スマート家電と接続可能な仕組みをもっているので、家電メーカーがAmazon Echoに対応する仕組みをデバイス自体にいれこむことで、Amazon Echo経由でのコントロールが可能になるのです。

つまり、スピーカーに向かって、「リビングの電気を消して!」というと、リビングの電気が消えるのです。

もう少し丁寧に説明すると、「スピーカーに向かって消灯の指示を話す」と、「スピーカーがネットワーク経由であらかじめ登録されているリビングのスマートプラグにライトの電源を切るように指示する」。そして、「リビングのライトが消える」という三段階で処理がされていきます。

声でリビングのライトが消えるなんて、ちょっと近未来的でしょう。

でも、実はこの夢の仕組み、本気で家一軒分の家電を声だけでコントロールしようとすると、設定が大変で、やりたいことが自分の持っている家電に対応しているのかも知る必要があります。

 

例えば、一軒家で4LDKだとします。

天井についているライトは部屋だけでなく、トイレやお風呂、玄関などもカウントすると10箇所くらいになるでしょうか。

それが、まずすべてスマートプラグやライトそのものがネットワークに接続可能で、Amazon Echoに対応している必要があります。

さらに、冷暖房や冷蔵庫、お風呂など、様々な家ナカの電化製品もネットワークに接続可能で、Amazon Echoに対応している必要があります。

冷暖房や冷蔵庫などの家電製品はコントロールする内容も複雑なので、その処理も設定しておく必要があります。

 

・・・こうやって、ようやく設定が終わると、今度は我々の方が、「なんと言えば何が起こるか」を覚えなければなりません。

こんな作業を一軒分やるとしたら、とっても大変ですが、やりきったら近未来の生活が始まるのです。

 

ところが、ここまでやって気づくのです。

声で操作ができてうれしいの?

「あれ、これでできることって、スマートフォンのアプリで操作するのと何が違うの?」

「リビングにおいてあるAmaon Echoに命令して、寝室の電気を消したいという気持ちにならないんじゃない?」

・・・・などなど。

 

なんて、デジタルに詳しい人はやる前から、普通の人もやろうと思ったらいろんな疑問がわいてきます。

 

いろいろ考えると、近未来の生活を始めるのも結構大変だなと思いませんでしたか?

 

できれば、全ての部屋の、すべての家電製品について、全部設定は終わっていて、あとは、各家電の機能なんてしらなくても、「暑いから寝る前に寝室を冷やしておいて」とか言うとよしなに冷やしてくれるような家電が嬉しい。

なんなら、そんなコト言わなくてもそろそろ眠いから寝ようかな・・・って思ったら勝手に寝室を適温に調整しておいてくれるというような感じまでいってくれないと、「それなら手元のスマートフォンで寝室の冷房をコントロールできるくらいでいいや」と、第1期のつながりはじめた頃に戻ってしまいます。

「かしこい」家電になると楽ができるのか?

つまり、どの部屋のどの家電製品をどう動かしてほしいと、考えながら声で指示をするのは、所詮は「操作」です。

 

もう「操作している感」がないところまで行かなきゃ、生活が変わった感はなくならないのです。

 

レベル感としては、子供が母親に、雑なお願いをしてもある程度くみ取ってどうにかしてくれる、というところです。

 

そういう意味で、最近流行りの「自然言語対話エンジン」の技術は、流行るだけのコトがあるといえます。

「自然言語」というのは、すなわち、普通にみなさんが話す言葉のことです。

 

子供が母親に話すようなレベル感の会話で、デバイスが意図を感じ取ってやるべきことをやる、こういう曖昧さを実現できると期待されているところがポイントなのです。

 

でも、こうなると、「かしこい」というより「おもてし」ですよね。

 

-家主をここちよく、もてなす家電へ

 

これからは、「つながる」だけではなく、「かしこく」なった家電は、「もてなす」家電への進化したとき、私たちの生活に自然に入ってきそうです。

 

現在、Amazonだけでなく、Googleも、Appleも、Microsoftも、日本からはLINEもこういった会話から意図を解釈して何かをする、というサービスを生み出して、発展している最中です。

 

設定などなくても、勝手にデバイスとAmazon Echo的なものが同期してくれて、曖昧なお願いを聞いてくれる、勝手にこちらの気持ちをわかってくれる、「もてなす家電」が増えてきたら、私は、今以上もっとぐうたらな生活をしていきたいと思います。。。そして、その日は近い!!

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Lifetech.todayでは、IoTNEWS代表の小泉耕二がIoTNEWSでは語れない、よもや話や、生活者に密着したテクノロジーの話をわかりやすく解説しております。

著書に、「2時間でわかる 図解IoTビジネス入門(あさ出版)」があるので、よかったら読んでみてください!

ここに書かれている見解は、あくまでも個人の見解です。

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